高性能遮熱シート“HMシート”の省エネルギー効果

高性能遮熱シート“HMシート”を 他断熱材に替えて使用した場合のメリットについて

  1. 他断熱材に比し、蓄熱しないため、冷・暖房における省エネ効果が、どの程度図れるか。
  2. HMシート採用による、二酸化炭素(CO2)削減と温暖化対策

以上の2点につき、メリットについて試算する。

電力量について

空気容積V[m3]の温度を t1からt2に温めるに必要な電力量Pnと電力Pを求める。
ただし空気の比熱C=0.24、比重1.23kg/m3とする
(日本船舶電装協会の電気装備に関する技術指導での電気暖房器の公式)

電力量 Ph = MC(t2-t1) / 860η [Kwh]

= 0.24 × V × 1.23(t2-t1) / 860η [Kwh] = 0.000343kwh = 0.343wh

(η(イータ)=熱効率、この場合は1とする。)

1m3(V)の空気を1℃高めるのに 0.343wh(ワットアワー)のエネルギーが必要となる。
(但し実際のエネルギーは2倍とみる⇒居室の室内空気の1時間毎の入替わり係数は2とする)

CO2換算について

1wh(ワットアワー)の電気量を作り出すのに排出されるCO2を重量に換算すると、 1Kwh=0.41kgなので1wh=0.41g(電気事業連合会発表:2006年実績値)となる。
従って、1m3の空気を1℃高めるには、0.343×0.41=0.141gのCO2を排出することになる。
また、通常の家屋の場合、室内の空気が流れから実際は2倍(2m3)の空気を1℃高めるエネルギーが必要になる為、 当然CO2排出量も2倍となります。
従って、0.141g×2=0.282g/m3

他断熱材と高性能遮熱シート“HMシート”の省エネ効果の比較

他断熱材に比し、高性能遮熱シート“HMシート”は蓄積しない為、冷・暖房における省エネ効果がどの程度考えられるか。

前提条件

(1)外気温度
夏場 31.2℃(遮熱性能テスト結果より)
冬場 13℃(暖房設定温度:20℃)
(2)遮熱性能試験(MIMOマテリアルの社内試験)
(a)HM-2シート (厚さ5mm) 熱伝導率 0.023w/mk
(b)合板 (厚さ12mm) 熱伝導率 0.110w/mk
(c)1種Bスチロール (厚さ30mm) 熱伝導率 0.040w/mk
(d)1種Bスチロール (厚さ50mm) 熱伝導率 0.040w/mk
外気温(29℃〜31.2℃)
No 試験体 3H太陽光にさらした時の
内部最高温度
備考
(a) HM2シート(5mm) 35.6 (d) − (a) ≒ 10℃
HMシートを使用すれば10℃分省エネになる。
※但し、冷暖房の使用時間をどう設定するかが問題。
(b) 合板(12mm) 40.6
(c) 1種Bスチロール(30mm) 45.5
(d) 1種Bスチロール(50mm) 46.0
(3)エアコンメーカーの省エネ試算条件は次の通り。
室内設定温度 冷房時27℃/暖房時20℃(東京)
期間 冷房3.6ケ月(6月2日〜9月21日)
暖房5.6ケ月(10月28日〜4月14日)
使用時間 6:00〜24:00(18時間)
住宅 木造、南向き、洋室

電力量の省エネ効果

1m3の空気を1℃高めるに要する電力量は0.343wh。
10畳の居間と6畳の洋間(寝室)を冷暖房する場合に要する電力量(Pn1)/日は、(2世帯住宅にて試算)

Pn=0.343wh × (41.25m3 + 24.75m3) ×2×10℃×18時間
= 8,149.68wh
≒ 8.15Kwh/日

10畳:5坪×3.3m2×2.5m=41.25m3
6畳:3坪×3.3m2×2.5m=24.75m3
n:2(空気の流れによる影響)
冷暖房使用時間:18時間/日

電力量(Ph2)/月は

Ph2 = 8.15Kwh × 30日 ≒ 244Kwh/月

年間の省エネ電力量(Ph3)/年は

Ph3=244Kwh/月 × 9.1ケ月
= 2,220.4Kwh
≒ 2,220Kwh

電気料金の目安単価:22円/Kwh(税込)。
従って、省エネ効果は2,220Kwh/年 × 22円/Kwh = 48,840円/年

(年別の省エネ効果)
期間 省エネ効果
1年間 48,840
5年間 244,420
10年間 488,400
15年間 732,600
20年間 976,800
30年間 1,465,200

電力量の省エネが図られることによる、CO2削減(地球温暖化防止に役立つ)の効果

1wh=0.41g(電気事業連合会資料による) 1m3の空気を1℃高め(低め)るに要する電気量は0.343wh。
従って、0.343×0.41=0.141g。
但し、通常家屋の場合空気量は2倍として計算する必要有り。
0.141×2=0.282g

(試算条件)
10畳:41.25m3
6畳:24.75m3
計   66m3

これから

66m3 × 0.282 × 10℃ × 18H/日 ≒ 3,350g/日

3,350g × 30日 × 9.1ケ月/年間 = 914,550g ≒ 914kg

CO2削減量 = 914kg/年間(2世帯住宅)

[まとめ] HMシートの使用効果
期間 省エネ効果 CO2排出削減
1年間 48,840 914kg
5年間 244,420 4,570kg
10年間 488,400 9,140kg
15年間 732,600 13,710kg
20年間 976,800 18,280kg
30年間 1,465,200 27,420kg

実際の電力使用量と電力料金について

ある家庭(2世帯)の電力量と水道の電力量のデータを調査
  電力使用量(Kwh) 電力料金(円) 水道使用量(m3) 水道料金(円)
5月 A家 330 6,075    
B家 587 11,152    
917 17,227    
平均 458.5 8,614    
6月 A家 353 6,684 62m3
(18.14Kwh)
(参考)13,532円
(218円/m3
B家 479 8,731
832 15,415    
平均 416 7,708    

(参考)

  1. 春日井市役所データ:0.2926kwh/m3(水1m3当たりの配水電力量)
    上記数値は、春日井市のデータであり、愛知県及び全国のm3当たりの電力量(Kwh/m3)とは一致しない。
  2. 例えば6月分として使用した水道の電力量は含まれておらない。
    調査した結果62m3(水道使用量)×0.2926Kwh/m3 = 18.14Kwhとなった。
  3. 2の数値は全電力量(kwh)/全排水量(m3)であり、家庭で使用した電力量832kwhに対し、水道の電力量18.14Kwh2.2%にすぎない。
  4. 従って、家庭で使用する総電力量(Kwh/月)及びCO2排出量(kg/月)の計算には1.02倍した数値で試算すればよいことになる。

年間の電力量及び、CO2削減効果

5月、6月の電力使用量(但し、クーラーはほとんど未使用)から年間の電力量及び、CO2削減効果を算出する。

前提条件

・冷暖房期間
6ケ月(この間の電力使用量は通常の1.3倍とする)
・通常電力使用量(Kwh)
(917+832)/2×1.02=893(Kwh/月)(平均)
・冷暖房期間の電力使用量(Kwh)
通常の1.3倍とする。
  1. 年間の総電力使用量

    (893Kwh/月×1.02)×(6×1.3+6)ケ月=12.600Kwh/年

  2. 年間の省エネ電力量(Kwh)2,200Kwh

    2,220 / 12,600 = 0.176(17.6%)

  3. 家庭(2世帯住宅)のCO2の排出量及び省エネによるCO2削減量と比率

    年間排出量:12,600Kwh/年×0.41kg / Kwh = 5,166kg/年間

年間CO2削減量 914kg / (17.6%)